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CARDBOX OPENスタンダード Round 6: 佐々木 裕介(兵庫) vs. 村上 颯太(三重)

2017年05月06日(土)18:00 大会・イベント
By Atsushi Ito



 マジックとは、アドバンテージを取り合うゲームである。

 そしてアドバンテージは、《Ancestral Recall》のようなカードをプレイすることによっても得られるが、強力なパーマネントをより長くコントロールし続けることによっても得られるのだ。

 特にスタンダードにおいてはその手法が用いられることが多く、対戦する両者はより強力なパーマネントをコントロールするべく、展開と妨害に死力を尽くすことになる。

 佐々木が駆るティムール《電招の塔》はその「妨害」側の筆頭だろう。

 対するは、個性的なスゥルタイ《霊気池の驚異》を駆る村上。コストを踏み倒して《絶え間ない飢餓、ウラモグ》をプレイするというのは「展開」の極致といっても過言ではない。

 互いに4-1で迎えた6回戦目。スタンダードにおける覇道と王道がぶつかり合う。



Game 1



 先手は佐々木。村上の初動《導路の召使い》×2を《本質の散乱》と《不許可》で捌き、4ターン目に《逆毛ハイドラ》を着地させる好スタートを切る。

 だが、返すターンに村上は《霊気池の驚異》を設置。エネルギーはいまだ2個だが、《逆毛ハイドラ》が殴り切るまで4ターン程度あることを考えると、かなり厳しい展開となってしまう。

 やむなくマナを立たせてターンを返した佐々木に対し、村上はまず《織木師の組細工》、さらに《霊気との調和》でエネルギーを7個までチャージ。そして《織木師の組細工》がカウンターされなかったことで佐々木に《不許可》がないと読み切り、メインで《霊気池の驚異》を起動。だが《絶え間ない飢餓、ウラモグ》は見えず、《害悪の機械巨人》で《逆毛ハイドラ》を対象として「呪禁」のためにエネルギー3個を使わせるにとどまる。


村上 颯太

 それでも、村上の場にはまだ《発生の器》《織木師の組細工》とあり、エネルギーの再充填は目前。続くターンには《ならず者の精製屋》を送り出し、佐々木がようやく《電招の塔》を設置したところで、エンド前に2回目の《霊気池の驚異》起動。「昂揚」達成済の《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を見せられては、佐々木は《本質の散乱》で打ち消さざるをえない。

 だが、佐々木が隙を見せたこのタイミングで《死の権威、リリアナ》を着地させた村上は、「-3」能力で《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を即座にリアニメイト。佐々木も《電招の塔》で用済みの《死の権威、リリアナ》は落とすものの、盤面は圧倒的な様相だ。




 しかも、2枚目の《電招の塔》を設置しつつの《コジレックの帰還》で蜘蛛・トークンを流す佐々木だが、それがさらなるエネルギーを生み、すべては《霊気池の驚異》へと収斂する。

 3回目ともなれば、そこにはさすがに《絶え間ない飢餓、ウラモグ》の姿がある。

 《電招の塔》2枚を失った佐々木は《暗記+記憶》で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を戻して耐えるが、「デッキの上から2枚目」に乗せるという行動は、《霊気池の驚異》をコントロールしている相手には全く意味を持たない。

 すなわち、《織木師の組細工》を生け贄に捧げて即、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》再召喚。

 これに抗する術は、佐々木には残されていないのだった。


 佐々木 0-1 村上



Game 2



 互いに《霊気との調和》以外アクションがなく、4ターン目、村上の《発生の器》が初動となる。さらにエンド前の起動から《ならず者の精製屋》を発見するが、3/2は即《蓄霊稲妻》され、なかなかパーマネントが戦場に定着しない。

 ゲームが動いたのは6ターン目、村上の《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を《不許可》した佐々木は返しで《逆毛ハイドラ》を送り出す。

 これを受けて村上も《不屈の追跡者》から《導路の召使い》と動き、《不屈の追跡者》への2枚目の《蓄霊稲妻》は《払拭》でカウンターする。




佐々木 裕介


 が、佐々木は慌てず2枚目の《逆毛ハイドラ》で村上にさらなるプレッシャーをかけ、村上の「きつい……」という声を引き出すことに成功する。


 というのも、実はこのとき村上は《霊気池の驚異》をすべてサイドアウトしており、ゲームに勝利するには戦場のクリーチャーで勝つ必要があったのだ。


 ひとまず《墓後家蜘蛛、イシュカナ》でターンを稼ぎにいく村上だが、佐々木はさらに《栄光をもたらすもの》を「督励」して《不屈の追跡者》を除去しつつフルアタック。少しずつ村上のパーマネントを削りにいく。

 しかし。


 そんな懸命な佐々木を嘲笑うかのように、村上の《死の権威、リリアナ》が《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を墓地から呼び戻す。

 《慮外な押収》で《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を奪う佐々木だが、それでもウィンコンディションには程遠い。無数のゾンビならぬ蜘蛛・トークンが、《死の権威、リリアナ》の前に立ちはだかる。

 一方、エンド前に《発生の器》を起動、さらにメインで《ならず者の精製屋》をプレイした村上は、この局面で最高のカードに辿り着いた。

村上「フルタップですね?」

 戦場に降臨したのは《害悪の機械巨人》!エネルギーが尽きていた《逆毛ハイドラ》がついに退場し、膠着した盤面で《死の権威、リリアナ》が猛威を振るい始める。






 佐々木も一応《栄光をもたらすもの》の「督励」で《害悪の機械巨人》を落としてはみるが、《死の権威、リリアナ》が死んだばかりの《害悪の機械巨人》を蘇生し、寝返った《墓後家蜘蛛、イシュカナ》を逆に除去されてしまう。


 マジックとは、アドバンテージを取り合うゲームである。


 しかしETB能力持ちと《死の権威、リリアナ》とのシナジーがもたらすアドバンテージは、これまでの五分の攻防すべてを無に帰しかねないほどに圧倒的だった。

 そしてダメ押しに《世界を壊すもの》まで追加した村上は、アタックに合わせた佐々木の《奔流の機械巨人》をブロック前に《造反者の解放》し、見事《霊気池の驚異》抜きの盤面だけで佐々木のライフを削りきったのだった。




 佐々木 0-2 村上



村上浦瀬(亮佑)さんのtwitterに載ってて、(このデッキを) さすがに使おうと思って。黒田(正城)さん相手も、《発生の器》で落ちた《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を《死の権威、リリアナ》でリアニメイトして勝ちました。めちゃめちゃ楽しいデッキですよ!」



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