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CARDBOX OPENスタンダード 決勝: 本田 敦郎(大阪) vs. 大野 誠太(大阪)

2017年05月06日(土)23:01 大会・イベント
by Takumi Yamasaki


 ここ京都では過去にプロツアーや7回のグランプリなど、様々な大会が行われている。さらに今年は6年ぶりに日本でプロツアーが開催されるなど、マジックにとても所縁のある聖地なのだ。

 そんなマジックの歴史あるこの場所で、また新たな大会が誕生した。

 CARDBOX OPEN。

 「関西のマジックを今以上に盛り上げていきたい」という熱い想いで開催されたこの大会は、2日間にも及ぶ大型の賞金制イベントで、関西のマジックプレイヤーにとって待望のものであっただろう。

 初日のスタンダード・フォーマットでは各地から参加者177名ものプレイヤーが集い、8回戦という長い戦いを行った。熾烈な争いであるスイスラウンドも終わりを告げ、いよいよ決勝戦が始まる。

 新しく始まったこの歴史、最初に名前を刻むのは一体どちらか。

 ここまで勝ち上がってきた2人のプレイヤーを紹介しよう。

 大野 誠太(大阪)。

 20歳という若きプレイヤーながら、来週末に開催されるプロツアー『アモンケット』の権利を、三重県名張市で開催されたRPTQにて見事獲得している。

 本大会の第三回戦でも相棒である「マルドゥ機体」でグランプリ・静岡(春)2017の優勝者である桐野 亮平(岡山)を打ち破り、勝利していることからも実力は確かなようだ。

 この強者に立ち向かうは本田 敦郎(大阪)。

 本田は日々PPTQに参加するなどして腕を磨く競技プレイヤー。話を聞くと二人は昔からの知り合いだそうで、よくドラフトを一緒にしたり、フライデーナイトマジックに参加し楽しくマジックをしているとのこと。

 普段は緊張感溢れる決勝戦も、知り合いどうしとあってどこか少し穏やかな雰囲気に包まれていた。

 ここまで数多くの試合を重ねてきたが、それもついに決着のときを迎える。

 ヘッドジャッジの大きな声でCARDBOX OPEN Standard、最後の戦いが始まるのであった。


Game 1


 先行はスイスラウンド上位の本田。まずは《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》、《キランの真意号/Heart of Kiran》と順調な滑り出し。

 一方大野は第1ターンに《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》をプレイできたのだが、続くターンにアーティファクトを追加することができない。

 先手の第3ターン、本田は《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》をプレイ。お返しにと大野も同じく《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》をプレイするのだがタップインというラグが反撃を許さない。



本田 敦郎(大阪)



 「先手」、この「マルドゥ機体」同型戦において重要なファクターであることは間違いないだろう。
本田が攻め手を緩めなければ、後手の大野は受けに回らざるを得ない。

 本田は先手の有利を存分に生かし、手掛かりでドローから《致命的な一押し/Fatal Push》で大野の《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》を処理する。

 《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》を盤面から退けることができない大野は2体目の《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar》をプレイするが、これもタップイン。

 その間に着々と攻撃する本田は大野のライフを一気に致死圏内に落とし込む。《キランの真意号/Heart of Kiran》でさえ止めることができない大野はエンド時に本田がプレイした《大天使アヴァシン/Archangel Avacyn》の降臨する姿を見届けると、静かに全ての攻撃を受け止め敗北した。


本田 1-0 大野


 綺麗な流れで捌きつつ攻めることができた本田。まさに先手の利が生きる試合となった。

 言葉かわすことなくサイドボードに移る2人。

 「マルドゥ機体」のサイド後はプレインズウォーカーコントロールになるのが最近の定石である。2人は互いにサイドボードの内容もある程度知っているとのこと。

 緊迫のなか行われる2本目。

 これで決してしまうのか、それとも大野が意地をみせるか。


Game 2


 大野は初手を見るなりマリガン。本田はキープを宣言する。ワンマリガン後2ターン目までアクションのない大野。

 それに対して本田は第1ゲームと同じく《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》、《キランの真意号/Heart of Kiran》と展開していく。

 3ターン目に大野がプレイしたのは《キランの真意号/Heart of Kiran》。本田にこのターン引いたことを教えるプレイだ。
そのまま4マナ目を置くことができない大野は、本田がプレイする《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》の前に苦い表情だ。



大野 誠太(大阪)


 先にプレインズウォーカーを出される大野。先手の利が生かせない。4マナ目の土地、いま一番求めているものだった。

 なんとか本田の《キランの真意号/Heart of Kiran》を《無許可の分解/Unlicensed Disintegration》で処理する大野。

 しかし、土地を引くことができない大野に追い打ちをかけるように、本田は《先駆ける者、ナヒリ/Nahiri, the Harbinger》で手札を整え、2体目となるプレインズウォーカー《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》を戦場に送り出す!

 圧倒的に不利な状況に陥る大野。

 ようやく念願の土地を引けた大野が《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》をプレイするも、時すでに遅し。

 本田が騎士・同盟者トークンに《致命的な一押し/Fatal Push》、そこからの攻撃ですぐさま対処する。ダメ押しにと《歩行バリスタ/Walking Ballista》を追加する本田。

 ただの1ターンすら止まらぬこの猛攻に、少しでも抵抗しようと《致命的な一押し/Fatal Push》で除去するのだが、本田が《グレムリン解放/Release the Gremlins》で大野の場に出ている唯一のパーマネント、《キランの真意号/Heart of Kiran》を処理すると大野は本田に向かって手を差し伸べた。

本田 2-0 大野


 「おめでとうございます。」と祝福する大野。その言葉にはどこか悔しさも含まれているようだった。

 互いに全力を尽くし戦った2人。ここ京都で開催されたこの新たな歴史に名を刻み、栄光の初代CBO覇者となったのは本田 敦郎!




 優勝おめでとう!!




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